光免疫療法が効かなくなったら併用治療.

photo-IT

光免疫療法を開発した
小林久隆さんの
苦労や情熱を
まとめています。
わかりやすかったです。

週刊ゲンダイ
光免疫療法
https://gendai.ismedia.jp/articles/-/59674

この文章では
まったく触れていませんが、
光免疫療法には欠点もあります。

2019年1月に
光免疫療法の新しい論文が
発表されました。

欠点の一つを改善しています
また
なにが新発見なのでしょうか?



光免疫療法の2段階の効果

光免疫療法では
まず
光感受体が
近赤外線照射を合図に
がん細胞の膜を破壊します。

さらに
この破壊された膜断片を
体の免疫細胞が認識して
免疫によるガンへの攻撃が始まります。

そして
このガンの免疫が強化されれば
体の中でガンに対する抗体がつくられて
がんの増殖や転移を防ぐことができます。

写真の細胞は
抗体を作り出す細胞です。
「プラズマ細胞」といいます。

2019年に
新しく光免疫療法の論文が出ました。

Cancer Immunol Res. 2019.
doi: 10.1158/2326-6066.CIR-18-0546.
Host immunity following near infrared photoimmunotherapy is enhanced with PD-1 checkpoint blockade to eradicate established antigenic tumors.

近赤外光免疫療法後、
身体の免疫能は
PD-1チェックポイント阻害剤により増強される。



光免疫療法の新しい論文の発見はなに?

新しい発見を知る前に
ガン免疫療法の欠点を知る必要があります。

大きく3つあります。

1つ目として
光の照射範囲が限られていることです。

光免疫療法の限界

2つ目として
ガンと特異的に結合する抗体
まだまだ足りないことです。

最後の3つ目つめとして
光免疫療法の効果は
近赤外線照射後、
数分からはじまります。
これは
欠点ではなく、すごい利点です。

ただ、
その後
効果が長続きがしないと言うことです。

もちろん免疫系は働くのですが、
効果が持続したとして数週間だと思います。

正確には
現在の治験で
どの程度効果がでているのか知りたいところです。

今回の論文では
この3つ目の欠点を補うために
チェックポイント阻害剤を用いています。
チェックポイント阻害剤とは
昨年のノーベル賞対象となった治療方法です。

何がすごいの今回のノーベル賞?


光免疫療法・チェックポイント阻害が最強の組み合わせ

ザックリと論文の内容を言うと
光免疫療法によって
生き残ったガン細胞が若干います。
これらのがん細胞は
何とか光免疫療法の
2段階の攻撃から逃れるために
自分自身の姿を見えなくすると
いう戦略をとります。

チェックポイント阻害剤では
このガン細胞の隠れ蓑を
剥がすことができるため
がん細胞が隠れることができなくなります。

すると
体の免疫細胞によりガンが認識され
攻撃されると言うことです。

逆に言えば
がん細胞も生き残るために
あらゆる手段を取り
体の免疫機能から逃れようとしています。



免疫記憶という不思議な現象

体の免疫機能とは
不思議なもので
いちど出会った異物や抗原を覚えています。

今回
光免疫療法を行った後に
チェックポイント阻害剤を投与すると
劇的に効果があることから
身体が
「ガン細胞=異物」という記憶を覚えている

と言うことです。

つまり
がん細胞の隠れ蓑を外すことができれば
すでに記憶された異物情報をもとに
素早く体は
免疫系を活性化することができます。



まとめとして

がん細胞の種類にもよりますが
今後
光免疫療法と
チェックポイント阻害剤という
組み合わせが
がん治療法では
まず第一選択肢となるはずです。



今日も最後まで読んで頂き
ありがとうございました。

みそしるが出ていれば
一押しお願いします。


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