免疫療法をしても
効果がない人もいます。
また
効果があったとしても
持続しない人と
何カ月にもわたって
効果が持続する人がいます。
この違いは何でしょう?
もし
免疫療法を受ける前に
効果のあるなし
や
効果の持続期間がわかっていれば
すごく良い!
では何が
免疫療法の効果に
影響するのでしょうか?
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免疫療法の効果に影響するのはなに?
今回の検討から
筋肉量が
ガン免疫療法に影響を及ぼしていました。
CTにて
L3レベルの腸腰筋断面積(cm2)÷身長2. (m2)から
Psoas muscle mass index(以下、PMIと略)
(cm2/m2). を計算し、
筋肉量を出しています。
このあたりは
わたしはさっぱり
わかりませんが
簡単にいうと
腰骨あたりの筋肉量を
数値化しています。
図はL3レベルの骨格筋量
筋肉量は
年とともに低下しています。
表は以下文献より引用
Nutrition. 2016; 32(11-12):1200-5.
doi: 10.1016/j.nut.2016.04.003. 2016
Proposal for new diagnostic criteria for low skeletal muscle mass
based on computed tomography imaging in Asian adults.
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腰部の筋肉量がおおいと効果が高い
この調査では
オプジーボや
キイトルーダの投与を受けた
非小細胞肺がんの患者
42人を対象にしました。
アジア人の平均的な筋肉量と比較しました。
そして
筋肉量が多いグループと
少ないグループに分け、
免疫応答を調べました。
Sci Rep. 2019 Feb 21;9(1):2447. doi: 10.1038/s41598-019-39120-6.
Impact of sarcopenia in patients with advanced non-small cell lung cancer
treated with PD-1 inhibitors:
A preliminary retrospective study.
結果から
サルコペニアがあると
免疫反応が弱い上に
効果が持続しないということです。
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なぜサルコペニアだとガン免疫反応が弱いのか?
具体的には
10カ月目の
生存曲線でみると
サルコペニアがある人は10%の生存率
一方、
サルコペニアがない人は
50%の生存率です。
約5倍も生存率がちがう!
サルコペニアを引き起こす原因として
慢性炎症が
考えられています。
そのため
慢性炎症が
免疫反応を阻害している可能性もあります。
特に
インターロイキンなどの
サイトカインがありすぎると
T細胞が疲労してしまい
本来の力を
発揮できないと考えられています。
実際に
チェックポイント阻害剤と
同時に
インターロイキン6の阻害を行うと
抗ガン作用は倍増することが報告されています。
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なぜ筋肉量が多いと免疫療法が効くの?
サルコペニアを起こす原因が
免疫反応を抑制してしまうのに
対して
筋肉があると
筋肉から分泌される
マイオカインや
PPARgamma 調節因子 (PGC1-alpha)などが
免疫を活性化することが知られています。
私個人的には
これらの筋肉から分泌される
マイトカインなどに加えて
体温も関係しているのでは
と思っています。
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筋肉と免疫との関係は?
免疫機能は
体温が高ければ
活性を高く保つことができます。
筋肉の多い人は体温を
高く保つことができるため
免疫系もスムーズ働いているのではないか
と思っています。
体温を高めるためには
腸を健全に保つ.
簡単言うと
腸内細菌に多様性を持たせることが
大切です。
そのためには
日常から
ビフィズス菌や納豆菌などを取り入れ
さらに
腸内細菌の餌となる
食物繊維やオリゴ糖など
天然のものを
よく摂取することだと思います。